源氏物語のあらすじ「雨夜の品定め」~帚木2~

前回の内容はこちら→源氏物語のあらすじ「雨夜の品定め」~帚木1~

「上流・中流・下流とはどのようにして分けることができるのですか?」と質問された源氏の君。

新たにおしゃべり仲間も加わってそれぞれの恋の話になっていきます・・・。

源氏物語「雨夜の品定め(あまよのしなさだめ)」

ちょうどその時、左馬頭(さまのかみ)式部丞(とうしきぶのじょう)がやってきました。
おしゃべりと遊ぶのが大好きな二人です。

 

左馬頭(さまのかみ)が答えます。

「出世したとしても、元々身分の低い人は周りも上流とは認めません。また身分が高かったが落ちぶれてしまった人に関しては、プライドだけは高いが、体裁が悪いので、どちらも中流と考えたほうがいいでしょう。

地方の政治をしているものに上流の貴族よりもお金をためている人がいますが、そういった娘は裕福な環境で育てられてすばらしい女がいたりします。宮中で働いて運よく帝に気に入られることもあるようですよ。」と話すと、

 

「では何事も身分が高く、お金持ちの女がいい。ということになりますね」と源氏の君が言うと、

 

「あなたらしくないことを言わないでください」と左馬頭(さまのかみ)は言いました。

 

そしてこう続けます「しかし、手入れされず荒れ果てた邸にひっそりと可愛らしい娘がいるというのもなかなか魅力的で気持ちが惹きつけられますよ。」

 

話を聞いている光源氏は白い着物を紐も結ばずにゆったりとくつろいでいる様子であるが、それがまた、美しく女性のようにも見えてくるほどです。

 

「それにしても、ほんとうに自分の妻として生涯を共にする女性を選ぶのは難しいですね。理想の結婚相手を見つけたい思いであれこれと女性を探してしまう。

 

欠点が少なくて自分の手をわずらわせないないような女性を選り好みしている人なかなか結婚できないのでしょうね。それに、周りを見ても羨ましいと感じる理想の夫婦なんていませんよ

 

理想の結婚相手

「結婚する前はおしとやかで女性的な情緒があっていいのですが、いざ生活した時にこだわりや趣に関心がありすぎたりするのも、一緒にいて疲れますし、

 

かといって家事や夫の世話を真面目にしっかりするのはいいけれど、なりふり構わずにぼさぼさの髪を耳にかけたりして化粧っ気のない所帯じみたような女になるのも嫌なものです。

 

また、仕事に出て色々なことがあったから話をしたいのに、反応悪く理解してくれないような妻には話す気にはなれないものです。」

 

素直で可愛く子供っぽい女性を教育していくのが一番いいかもしれません。欠点も可愛らしく思えるし素直なので、言うことも聞いてくれるので許せるでしょう。

 

でも、仕事などで離れて過ごすこともある場合にあまりに頼りないのも困ったものです。」と結局どんな女性がいいのが左馬頭も話していて結論がでず、わからなくなってきてしまいました。

「とにかく。家柄や階級も美人かどうかも関係ないのです。ただ素直に真面目で落ち着いた女性がいいのです。必要なことは学べばいいですが、穏やかで素直な性格というものは身につくようなものではありませんから。

一番困るのは表面上は優しく穏やかな素振りを見せておきながら、内心はひどく我慢をしていて、ある日突然怒り出してしまうような女であるとか、夫を傷つけるため急に姿を消してみたり、尼になって見返してみたり、そういうのは本当に困ります。

可哀想な女の人だと同情もされるでしょうが、最終的にもう一度やり直しても妻は夫を捨てたのだし、また夫は妻をそこまでおいこんだと一緒にいても結局は後ろめたい気持ちになるのです。

夫が浮気をしたから離縁するというのもいけませんね。夫婦は一度愛し合った思いがあるのならまだ縁はあるのですから、感情的になってはいけません。夫が浮気をしているようならちゃんとやきもちを焼いてみせて、腹が立って相手を責めるような言葉を言いたくなる時も、可愛らしく穏やかに伝えなければいけません。

そうすれば夫も妻を可愛らしく思えて浮気もなくなったするものです。
やきもちを焼かないのもいけません。夫は妻は何も気にしていないのだと、自由に外で女性と遊んでしまいます。

この話に頭中将は納得したように深くうなずいていました。

「そうですね。夫婦というものは長い目でじっくりと向き合っていくべきものなのでしょうね。」とお応えになりました。


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左馬頭(さまのかみ)の恋

左馬頭は続けます。
「実はもっと若い頃に好きになった女がいました。それほど美人というほどではなかったですし、何となく他に結婚相手はいないかと別の女性を探しながらも、その女の家に通っていたのです。

色々と結婚相手を探すものの、その女以外に気立てのいい女はおらず、結局のところ心落ち着き、休まる場所はその女のところだったのです。

ですが、一つだけ難点がありまして、とても嫉妬深いのです。それ以外は本当に行き届いており、私の考えを尊重してくれ世話もしっかりとしてくれる妻としてぴったりの相手だったのですが、嫉妬だけは本当に許しがたかったのです。

嫉妬深いところを直さないと別れるぞとおどしてみたら、その女も浮気だけはどうしても辛いので別れても構わない。という。私としては別れる気はなかったので、その女の態度が気に入らない。

しばらく様子を見ていたら、その女は亡くなってしまったのです。私は、今でもその女のことを忘れられないでいるのです。

仕方なく、少し派手な別の女性のもとに通っていましたが、その女は華やかで風情もあったので浮気癖が見られ、やはり自分には亡くなった女のような真面目で自分のことを大切に扱ってくれる気立てのいい女がよかったと思い、別れてしまいました

艶っぽくよわよわしいような振りをする女はものすごく魅力的だけど、気をつけた方がいいですよ。本当に。」と左馬頭はいいました。

感想

今から1000年以上も前の平安時代のことなのに、男女ことに関しては今も昔もあまり変わらないように感じました。貴族の間では一夫多妻制が普通だったのに、浮気がどうとか、言ってられないよね。しかも、通い婚だったら、あんまり一緒に居る時間も少ないんだし、生活してはじめて気づくお互いの意外な性格とか、わからずに済むのじゃないのかな。と思っていましたが、違うようですね。

こだわりがあって、いちいち細かい女とか、世話してくれるのはいいけれど、所帯じみて女性らしさを失った女とか・・・・

今でも一緒~!!

こういう時に男性は他にいい女はいないかな~?なんて、別の女性を探したりするのでしょうか・・・。一生懸命に家庭のことを切り盛りしている女の人は辛いですよね。

特に、男性の恋愛がおおらかだった時代なので、ちょっとした言い争いや、身だしなみを怠ったら、すぐに別の女性のもとへいってしまうかもしれない。という危機感!!

この時代に生きた嫉妬深い女性は、キツかったでしょうね・・・💦というよりも、普通は嫉妬しますよね。

そして、男に浮気心がみえたなら、「可愛らしく嫉妬して、甘えてくれ」というのも、びっくりするほど勝手な意見のように感じますが、現在も男性の意見としては変わらないように思いますし、浮気をして欲しくないならこれは紫式部からのアドバイスだと思った方が良さそうです(~_~;)

本当に、この帚木は平安時代の男女について細かく書かれていて、とても面白いですね。さて、次は頭中将の恋のお話しもでてきます。

源氏物語のあらすじ「雨夜の品定め」~帚木3~につづく


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