源氏物語の源典侍(げんないしのすけ)の年齢は?どんな女の人だったの?

光源氏はたくさんの女性と恋をしました。それぞれに個性があり、源氏は女性達を尊敬し愛していたのです。

恋の内容も本気で苦しいものから、遊びのもの。色々ありますが、今回の源典侍(げんのないしのすけ)との恋愛は、読者サービスといいましょうか・・・。

スーパーアイドルの光源氏の失敗談、若げのいたりといいますか。ちょっと笑えるエピソード。という感じになっています。

というのも、光源氏は18歳。源典侍(げんないしのすけ)は60前の女。

普通であれば、男女の関係にはならなさそうな二人が恋をするのですから(といっても恋をしていたのは源典侍だけですが・・・)美しく儚い恋愛の物語とは、ほど遠いお話しとなっております。

ですが、私にとってはかなり印象に残った女性で素晴らしく学ぶところも多かった人なのです。ということで、今回は源典侍(げんのないしのすけ)について書いていきたいと思います。

源典侍(げんのないしのすけ)について

  • 宮中で働いている女房
  • 家柄もよく身分も高い。才気があり人望もある。
  • 浮気っぽいところがあり、男女の関係については軽い所がある
  • 見た目は派手にしていて若作り
  • 琵琶の名手である
  • 長く付き合っている男がいる→修理大夫(すりのかみ)と言う

源典侍(げんのないしのすけ)の年齢は?

好ましう若やぎてもてなしたるうはべこそ、さてもありけれ、五十七、八の人の・・・

「普段は華やかに若作りしているが、本当は57、8歳の人で・・・」

という場面があることから、57~58歳の女である。
華やかな装いで、若く見える。ということは40歳位に見えたのでしょうか。

ですが、ぱっと見に若々しい感じがしても、近づいてよく顔を見てみると・・・

さし隠して見返りたるまみ、いたう 見延べたれど、目皮らいたく黒み落ち入りて、いみじう はつれそそけたり。

「顔を隠して振り返った目つき、力いっぱい流し目を使っているけれど、瞼が黒ずんで落ちこんでおり、頬はこけていてしわだらけである。」

と源氏の君にチェックされています。

光源氏と源典侍(げんのないしのすけ)どうやって関係を持ったのか?

光源氏18歳。好奇心旺盛な頃です。すでに色々と女と付き合ってきました。

そこへ、未だ好色な60歳近い老婆のことがふと気になったのです。「この年になってもまだ、若作りをして浮気っぽい女とは一体どんな人なのか・・・」

と、ちょっとした好奇心から、ちょっかいを出してみたのである。

すると、普通ならば自分の子供よりも下であろう男の子に何か色っぽい冗談を言われても、からかっているのかな?と思ったりして相手にはしません。(私なら、罰ゲームで言わされているのか!?なんて考えたりもするかも)

ですが、源典侍(げんのないしのすけ)は違いました。本気で恋の駆け引きだと受け取って、応えたのです。

さすが人生の大先輩だけあって、恋の達人ですから、あれよあれよとそういう関係になってしまった・・・。ということのようです。

ちょっかいを出して冗談を言って、様子を伺うつもりが、まんまと相手のペースにはまってしまったのですね。

それからも、源典侍(げんのないしのすけ)はどうして私の所に来てくれないの??と恋人になった気で当然のように光源氏を恨んだりするのです。これには、光源氏もまいってしまいます。

できるだけ避けようとしていました。でも・・・

源典侍(げんのないしのすけ)が帝の御櫛上げ(おくしあげ)を勤めました。その後、帝が出て行き、二人だけになったので、源氏の君は二人で話してみようと思われました。

源典侍は精一杯、恋の歌を詠んで、源氏の君にアピールしましたが、源氏の君は「あなたには他にも男がいるでしょうし、面倒なことになりますから」とさっと離れて行こうとすると、

源典侍は袖をつかんで「こんな辛い思いをしたことはございません!!こんな年になって捨てられて恥をかくのですね」と泣いた。

「近いうちに必ず行きますよ。いつも行こうと思ってはいるのですよ」
と無理に振り払って、離れようとしました。

が。

それでもなお、追いすがって「橋柱(はしばしら)ですか!」と泣いて引き留めようとする。

※橋柱(はしばしら)とは?

・限りなく思ひながらの橋柱思ひながらに仲や絶えなむ

「限りなく思ってはいながら、古い長柄(ながら)の橋の橋柱のように朽ちてしまう仲なのでしょうか」という内容の古い歌

さすがに、源氏の君もこれにはうんざりしています。

実は、そのやりとりを出て行ったと思っていた帝が障子の隙間から覗いておられたのです。(うわ~!最悪!!一番見られたくない人~)

この一件で、帝にも他の女房達にも源典侍との間柄がすっかりばれてしまい、宮中ではこれは意外な恋のお相手だ。と噂されることとなった。

その後、源氏源典侍のもとに行ってやらないと気の毒だとは思いながらも、面倒で行っていなかった。しばらく日が経ったころ、どこからか源典侍(げんないしのすけ)の琵琶の音が聞こえてきた。

それがたいそう見事に弾いているので、ついつい聞き入ってしまう。

そうしてまた、二人やり取りをしているうちに、あなたに男もいるのでこれ以上親しくなる気持ちはありませんと伝えたけれど、

あまりに侮辱して悪い気がするし、このまま関係が切れるのもあまりに素っ気ないかなあと思い直して、また源典侍のもとで夜と過ごそうと思われたのです。

感想

紫式部は、どの女性も男性もほとんど殿上人に関しては美しく、教養があり素晴らしい。という風に描いているのですが、脇役、というかぶさいく枠といいうのか・・・。それに対しては、結構意地悪に書いているんですよね。

源典侍が見た目は若作りしているけれど、よく見ると、目を黒ずんで顔はしわだらけ。というくだりなんかは、同じ女性としてかなり辛い・・・。まあ、確かに源典侍のことがよく想像できていいのですけれども。

勘違いしたてるかなり痛い好色婆さん。というキャラを作りあげて、なおかつ必死に若い源氏にとりすがるみじめな婆さんを描いています。

かなり痛い・・・これは自分だとしたら辛い・・・。でも彼女はくじけない。そして周囲の反応は噂話なんかも気にしない。とにかく好きなんだもの!!という素直な気持ちがあります。

それに、自分のことをまだまだ女としてイケる!と自負しています。

これは本当に大事だと思いました。もし、源典侍が自分は年寄りだし・・・とか、光源氏のようなスーパーモテモテアイドルが私のような婆さんに興味があるはずがない。とか思っていたら、こんな関係にはなっていなかったでしょう。

つまり、自分の気持ち次第。自分が描いた自分像次第で、いくつになっても、どんなに無理であろうステキな男性であろうとも、関係を持つことは可能だということを、彼女は教えてくれました。

日本人は特に奥ゆかしく、謙虚なところが美しいと思われていますが、時には彼女のように、自分のことを高く評価して、自信たっぷりに素敵な男性と恋をしたいものです。

源典侍は光源氏に「こんなに年取っているのに、なんで若作りして、男好きなの??」一体どんな女か?ちょっと試してみたい。と思わせたのですが、気になる存在としてアピールできるというのはすごい所です。

はやり、彼女は自信を持ち自分の魅力を表現することに躊躇しなかったことが素晴らしと思います。たいがいは、こんな格好をしてどう思われるだろう、とか、若い男を好きになって周りの人から白い目で見られて恥ずかしい・・・と思って、自分を表現するのをやめてしまいます。

周りを気にしない強さ。あきらめない心。自分を高く評価し表現する大胆さ。好きという気持ちを素直に受け入れる心の深さ。

非常に勉強になりました。

そして、光源氏の見捨てない優しさというのも感じられました。おわり。

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