源氏物語のあらすじ~若紫1~

源氏物語の中でも有名なのがこの第五帖「若紫」です。源氏の君が18歳の時、たまたま訪れた先でまだ幼い「紫の上」を見て、心を奪われてしまう場面のお話しです。

源氏の君はまだ幼いが、美しく可愛らしい若紫(紫の上)をみて、どことなく想い人に似ているようで、どうしても若紫のことが忘れられず、ついに自分の家に連れて帰ってしまいました。

成長した紫の上は、源氏の君が思った通りの類まれな美しい人となり心から愛する人となります。そんな二人の出会いの物語です。

 

光源氏、北山へ行く

光源氏18歳。病気にかかってしまいました。(マラリアではないか?と言われています)

加持祈祷(かじきとう)をしてもらってはいますが、何度も病気を繰り返しています。

そんな時に「北山のお寺」にとても優れた力のある行者がいるらしい、という噂を聞いて、お忍びで北山に行くことにしました。

行者は深い岩窟の中にいます。そこまで光源氏は出向いていって、祈祷をしてもらいます。(マラリアだとしたら、あまり食べ物も食べられなくて、やつれているはずですけれど、岩窟まで行けるのもすごい体力です)

(若いというのもありますが、日中は宮中で仕事をして、夜は女のもとに出かけている。睡眠時間も少ないなか女の家に通えるということは、体力は確かにありそうです(~_~;))

行者は本当に尊い方であった。

祈祷後に外に出てみると、僧坊(お坊さんが生活する建物)がいくつかあるのが見えます。その中に、とても雰囲気のよい家があるのを見つけて、一体どんな人が住んでいるのか気になりました。

見ていると、小さい女の子や若い女房などもいて、こんな山の中に若くて綺麗な女がいるなんてどうして?と、とても興味深く思われたのです。

それから、「また昼頃になって体調が悪くなったら嫌だなあ・・・」と気にしていましたら、仕えている者が「気分を紛らわす方がいいでしょう」と色んな話をしてくれます。

光源氏はこのような遠出をしたことがなかったので、美しいなあと山々を見ていると、仕える者達は「この山の景色よりもずっと素晴らしい景色が全国にはありますよ」と教えてくれました。

富士山や、西国の浦々、特に明石の浦の景色は他の海岸とは違う。ゆほびか(ゆったりとしている)、だと言います。(1000年以上も昔から、富士山は特別だったのですね!!西国の浦々とかは、天橋立とかなのでしょうか^^)

その話の中に、明石の入道の娘の噂話がありました。美しい娘だし、明石の入道も財力があったので、どんどん求婚者がやってくるが、絶対に結婚させない。

結婚については格別の思いがあるので、簡単には結婚されられない(相当な身分の人じゃないと駄目だ)と言っているらしい。

そういう、何か事情のある女にこそ、光源氏は興味があるご様子です。

若紫との出会い

次の日、病気の方はようやく治まってきたようなので、少し外に出ました。あの気になっていた家の様子を見にやってきたのです。

様子を伺っていますと40歳くらいの尼がみえました。かなり身分の高い人のように見えます。髪も顔だちもとても上品です。

何人か女の子がいましたが、その中に10歳位のひときわ可愛らしい女の子がいました。(小学校4年生くらいですね)

その女の子は泣いて尼君に言います。

「犬君(いぬき)がスズメの子を、逃がしてしまった。伏籠(ふせご)の中に入れておいたのに」

犬君(いぬき)ってなんだ?って感じなのですが、仕えている女の子の名前だそうです・・・。犬かあ・・・(‘_’)子供同士、姫の遊び相手だったのでしょうね。

女房が「またいつもの失敗をして姫を怒らせたのね。あらまあ困ったこと。スズメはどこにいったのかしら?だんだん懐いてきていましたのに。鳥などに見つけられたらどうなることでしょう」と話しています。

尼君はそんな姫の幼い姿に嘆きます。「姫の母親はもう少し分別もわかっていましたよ。」と、自分が死んでしまったらこの子はどうなるのか?と心配でたまらないようです。

光源氏はその女の子にくぎ付けになりました。というのも、自分が恋しくて仕方がないひと、つまり藤壺の女御に、その女の子がとても似ていたからです。

あとで、わかったことなのですが、その女の子は藤壺の女御の姪だったのです。

光源氏は思います。「ああ、あのお方との恋は決して実らないのだから、せめてあの女の子をいつも傍において慰めてもらいたい・・・」(ひ、ひどいな・・・源氏)

その後、その家の主である僧都(そうず)が、挨拶に来られ、是非お越し下さるように誘うので、光源氏はあの女の子のいる家に出かけることとなりました。

その僧都と話していると、僧都の妹があの尼君で、尼君の娘が女の子の母親だといういうことがわかりました。女の子の父親は兵部卿の宮で、藤壺の女御のお兄さんなのでした。

女の子が藤壺の女御の姪だと知り、より一層、その女の子に心惹かれて、可愛くて素直で上品だけど、まだ幼くて何も知らない姫を自分の思い通りの理想の女に育ててみたい!!

と、箒木(ははきぎ)の時に男達が話していた通りの野望?妄想?を実現させてみたくて、たまらなくなりました。

そして、その女の子をお世話させていただけませんか?と頼みます(いやもう、怪しさ全開ですから・・・)

尼君はびっくりです(そりゃそうだ)
もちろん、断るわけです。幼過ぎるし、娘の忘れ形見ですし、手放せないですよね。あまりにも幼くて、殿方のお相手もできずに、傷ついたり、光源氏が愛想つきても困ります。心配でたまりません。

あと4年経ったら来てください。と返事をします。

何度も歌を詠んで、姫を一目みて忘れることができません、どうか連れていくことを許してください。と尼君に伝えても、ほんの子供を気に入るなんて何かの勘違いでしょう。という返事ばかりです。

(まさか尼君も、むしろ何もわかっていない幼い子供だからこそ余計にいい、教育しがいがあるんだ。なんて、光源氏が考えていたなんて、思ってもみなかったでしょうね・・・。何を考えているんだ、この男は。と私なら思います(~_~;))

光源氏、出立する

さて、光源氏の病気の具合も落ち着いてきたので、京へお戻りになろうかという頃、心配した左大臣やそのご子息、頭中将や差中弁(さちゅうべん)やら家来やら、大勢で光源氏を迎えにやってきました。

美しい山の景色の中で、一向は出発前に音楽を奏でます。(さすが貴族!)

そして、出発を見送るもの達は、身分の低いものであっても、光源氏の美しさや素晴らしさを思い出して涙を流すのでした。

感想

藤壺の女御と会えない、報われない想いを、姿の似ている若紫に慰めてもらおう。

まだ小さいから、教育して頭中将(とうのちゅうじょう)達が出会ったことがないと嘆いている「理想の女」に仕上げてやろう。

という欲望丸出しの源氏の君。

美男子でお金と権力があるという設定なので、女性読者から受け入れられてますけれどもね・・・

女の子が可哀想とか、藤壺の女御の代わりにしたらダメだ・・・。とか思わないのは、やっぱり帝の息子だからでしょうか。

「俺様が愛してあげた女は最高に幸せなんだぜ!」位に、自身満々ですね。それとも、何も考えてないのか・・・?

とにかく自分のことしか考えていない光源氏である。

そして、出てきました。「明石の君」!!こんな所に伏線を張っているなんて、やりますなあ~。

まさか後から出てきて六条院のメインメンバーに食い込んでくるとは。笑。面白い。

そして「若紫」は後編へ続きます。

源氏物語のあらすじ~若紫2~

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