源氏物語の葵の上の性格や年齢は?

光源氏の正妻である葵の上。夫婦の仲は良くないと源氏物語の中で描かれています。
一体、どうして仲が良くなかったのか?

そして、葵の上はどんな性格で光源氏のことをどのように思っていたのか?を書いていきたいと思います。

葵の上について

  • 光源氏の正妻
  • 左大臣の娘
  • 頭中将(とうのちゅうじょう)の妹
  • 夕霧(ゆうぎり)を産む
  • 左大臣家の唯一の姫
  • 源氏の君との結婚生活10年

 

葵の上の年齢について

  • 光源氏よりも4歳年上
  • 光源氏12歳、葵の上16歳の時に結婚
  • 葵の上、26歳。出産の時に亡くなってしまう。(源氏は22歳)

 

葵の上の性格・どんな人か?

容姿

とても美しい。身だしなみも、いつもきちんとしていて、だらしない所は一つもない。

四年ばかりがこのかみにおはすれば、うち過ぐし、恥づかしげに、盛りにととのほりて見えたまふ。

「(葵の上は)4歳ほど源氏の君よりお姉さんで、こちらが恥ずかしくなるほど女盛りで美しくお顔が整っている。」

 

この美しく気品のある姿に、源氏の君は「この方のどこにも欠点はない」と思っています。

女性経験の豊富な源氏の君が思うのだから、間違いない・・・(‘_’)
とにかく容姿や振る舞い、雰囲気などすべてがトップレベルの美しさ上品さ。ということですね。

性格

まず注意して見ることは、葵の上が何を話しているか?ということなのですが、
・・・葵の上、ほとんどしゃべってません。

源氏の君と話しをしている場面もほぼ一方的に源氏が話している感じです。

「きっと色んな思いを抱えているのだろうなあ」と読者は想像します。

それでも、少し葵の上の気持ちがわかるような場面も出てきます。

源氏の君が紫の上を二条院に迎えて一緒に暮らしている。
という噂を女房から聞きました。

紫の上のことは源氏の君に仕えている人達はみんな口止めされているので、あまり事情の知らない人達が、どこぞかの女を連れて来て一緒に住んでいるらしい。と噂しています。

わざわざ二条院に連れてきて傍において可愛がっているのだから、(葵の上という正妻を差し置いて)相当な女に違いない。

というような話を聞くわけです。

「 わざと人据ゑて、かしづきたまふ」と聞きたまひしよりは、「 やむごと なく思し定めたることにこそは」と、心のみ置かれて、いとど疎く恥づかしく 思さるべし。

 

「わざわざ二条院に女を住まわせて可愛がっているということを聞いたので、その方をいつか夫人として迎えるつもりなのだろう。とそんなことばかり考えて源氏に対する気持ちに隔たりができ、余計に気づまりになってしまう。」

 

という所から、葵の上は本当はもっと仲良くしよう、次こそは可愛らしく、とか、もう少し本音を言ってみようかな?と思っていただろうことが伺えます。

源氏の君はいつも、もっと優しくしろだの、冷たい態度はやめなさいだのを葵の上に言っていますから、「他の女の所ばかり浮気して、愛されないのは自分のせいだ」というのは感じていたようです。

でも、今までの浮気相手のような存在よりもはるかに愛されているだろう存在の噂を耳にしたことで、またしても仲良くしようとする気持ちを失います。

葵の上は、一人娘でしかも帝から特別に信頼を得ている左大臣の娘ですから、上流階級中の最高峰レベルの娘です。トップレベルの身分ですから、ほとんどの人が自分より下なわけです。

プライドが高くて当たり前ですね。

そして、ちやほやされて育っています。他に姉妹がいて比べられることもなく、いつも私が一番!!です。

そんな姫が結婚した相手は、帝がめちゃくちゃ可愛がっている息子、でも皇族ではない。そして年下。こちらがひるむ位に美しい男・・・。どっちが上かわからない。力関係が微妙ですよね。

嫉妬するのも、可愛らしく振る舞うことも、年下だしやりにくかったに違いありません。もしくは、年下でも自分よりも身分が上の人、例えば帝なら良かったかもしれません。

そうやって戸惑っている間に、次から次へと女の噂が聞こえてきます。

正妻としてのプライドはズタズタですね。
おまけに、左大臣家に仕えている女房とも関係をもっている始末。
(当時は自分の使用人と夫が繋がっていても平気だったんでしょうか・・・)

娘のころはすべての人からちやほやされてきたのに、結婚したら夫からは全くちやほやされないなんて!・・・ショック!!そして自分の家なのに、使用人ときゃっきゃっと楽しそうにしている・・・。

源氏の君にしても、いつも女から情熱的に愛されていたのに、正妻からは全くそんなそぶりもないなんて、心外だ!!という感じです。

 

同じ大臣と聞こゆるなかにも、おぼえやむごとなくおはするが、宮腹に一人いつきかしづきたまふ御心おごり、いとこよなくて、「すこしもおろかなるをば、めざまし」と思ひきこえたまへるを、男君は、「 などかいとさしも」と、 ならはいたまふ、御心の隔てどもなるべし。

「同じ大臣でも特に力のある左大臣を父親に持ち、内親王である夫人から生まれた一人娘であるから、葵の上は非常にプライドが高く、少しでも敬意の足りない扱いをされるのは、我慢ならない。一方、源氏の君は帝にとても可愛がられていて特別扱いをされている。そういった境遇から、葵の上に対する対応は特別に敬意を払うことがない。こんなことが夫妻のみぞを作っているものらしい。」

とあります。

夕霧の奥様である雲居の雁(くもいのかり)が、夕霧がはじめて雲居の雁以外の女を好きになってしまった時、怒って里に帰ってしまいました。
平安時代は一夫多妻制だというのに、浮気程度ではなく、きちんとした妻ができることは正妻にとってかなり屈辱的なようですね・・・。愛人はいいけど、妻は許せん!!てことなのでしょうか。

そういうものであるならば、源氏の君は身分の高い六条御息所(ろくじょうみやすどころ)との関係や、得体は知れないが、相当に大切にしている様子の二条院の女(紫の上のこと)は葵の上の心に深い苦しみを産んだのでしょう。

 

「 うちうちのありさまは知りたまはず、さも思さむはことわりなれど、心うつくしく、例の人のやうに怨みのたまはば、我もうらなくうち語りて、慰めきこえてむものを、思はずにのみとりないたまふ心づきなさに、 さもあるまじきすさびごとも出で来るぞかし。人の御ありさまの、かたほに、そのことの 飽かぬとおぼゆる疵もなし。

「真相を知らないのだから色々と思ったり勘ぐったりするだろうけれど、よくある世間一般の女のように口へ出して文句や愚痴を言えば自分も事実を話したり、気持ちを説明したり慰めたりもできるけれど、何も言わない上に思いもよらない風にあえて解釈し、恨んでいるという態度がいやで、ついつい浮気をしてしまう。」

と源氏の君は思っています。

そのうえ、葵の上はこんな風に、すねたり、恨んだりしないために、源氏の君が言い訳をする機会も与えてくれないのだから、確かに夫婦の距離は縮まらないかもしれません。

こんな浮気な男を心から愛してしまってはいけない。とか、私の方がほれ込んでしまうなんて恥ずかしい。年下の夫に嫉妬心をむき出しにするのはプライドが許さない。

なんていう思いから、愛している気持ちにすっかり蓋をしてしまったのかもしれません。

本当の気持ちに気づくのは怖いことですし、傷つくのが何より嫌ですし、女好きな源氏の君にどうしろと言うのだろう?という思いもあって、何も言わない。感情をあまり出さないようにしていたのかもしれませんね。
第一、自分の方からへりくだって歩みよることはできません。そんな選択肢はなし!というか知らない?

自分の気持ちに素直になる。というようなことが全くできない葵の上ですね。
でも、せっせと世話をしてくれるお父さん、唯一の姫だからと可愛がってくれるお母さん、上流階級に生まれて、姫らしく振る舞わないといけませんと育てられて、期待に応えようと頑張る葵の上は、自分の気持ちや思いなどは後回しにするしかなかったでしょう。

上手に本音やわがままを源氏の君に伝えつつ、ストレスも発散しながら、親を安心させつつ、自分も楽しみながら、日々を過ごす。というのは、まあ、難しいものです。現代人も似たような所ありますよね。
ついつい、もう相手には何も言わず、心閉ざして我慢してしまう。というような事が・・・。

まとめ

  • プライドが高く、素直になれない。
  • 夫が遊んでいても責めない。
  • 説教をされても言い返したりもしない。
  • なかなか家に来なくても文句の一つも言わない
  • 親や家、妻としての責任感が強く、我慢強い。
  • 真面目で周囲の期待に応えようと和歌や楽器や字を書くこと姫としての教養や振る舞いを学んできたが、夫・男の扱いがわからない。(周りはよかれと思って色々とアドバイスしたりするのだろうけども)

要するに、葵の上はきちんと源氏の君と向き合っていなかった。ということですね。
本心から向き合えば、色んなどろっとした感情も出てくることでしょう。

そういうのは、浅ましい、見たくない感情だったに違いありません。

夫の女遊びに対する我慢やもろもろの頑張りが夫からは全く評価されない。よくある話です。
夫からはもっと可愛らしくして欲しかったなんて言われるのですから「できるかー!!」

と反論したくなります。
でもこれが男女の関係。正論が通らないのです。

源氏物語は色んな男女のケースを男は変えずに(光源氏は変わらない)覗いているようです。

(おわり)

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